語り場掲示板『君の名は。』および『天気の子【予報篇】』

新海作品を読み解く考察の輪「語り場掲示板」がある LAMU のおへや ☜ 2019年7月1日~休刊中、再開未定。

君の名は。語り場掲示板《第12回》藤井 司 に関する考察 &『君の名は。ノチ天気の子実況特番』情報

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 読者の皆さん、おはようございます。LAMU です。全国のあちらこちらでゲリラ豪雨や落雷、また東北地方の日本海側における地震など、天候や自然災害のニュースがひっきりなしに耳に入ってくる今日この頃ですね。影響があった方々の生活がなるべく早く正常化しますようにお祈り申し上げます。
 
 さて本日の語り場掲示板『君の名は。』シリーズは、いつもの【二部制】に加え、とっておきの最新情報を加えて、なんと【三部制】で記事をお届けいたします。二つ目の記事「プチ考察シリーズ」では『俊樹町長による避難指示の決意と、その後の父娘に関する一想像』と題して、私 LAMU が、今シリーズ二つ目の「創作二次ミニ小説」に挑んでおります。恥ずかしさで一杯ですが、どうか温かい目でぜひ読んでみてください。そして三つ目の記事が、本タイトルにある「とっておき最新情報」です !!!
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今回の語り場テーマ
     藤井 司 に関する考察 

 ①藤井 司 の性格や人柄を、どう感じますか?
 ②彼は三葉(瀧)をどう見ていたと思いますか?
 ③飛騨探訪に同行する彼をどう思いましたか?
 ④彼と奥寺ミキとの相性をどう思いますか?

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 まずは設問①
「藤井 司 の性格や人柄を、どう感じますか?」
                 に関して・・

・勉強ができて、気配りとかもできる良い人なんじゃない?! ドラえもんに出てくる出来杉くんを崩した感じ?😜

・司の中にもフェミニンな部分を私は感じてしまいます。瀧や高木からすれば「理解ある良き恋女房」のような存在。三人の中で最も感受性が高いからだと思うのですが。

・頭の回転が早く、相手の感情の機微にも敏感で、ストレスコントロールも巧みにこなせるタイプだと感じました。社会適応力が高い人物でしょうね。 
                   【LAMU】

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 次に、設問②
「彼は三葉(瀧)をどう見ていたと思いますか?」
                 に関して・・

・瀧くんのフェミニンな部分にメロメロ ✨😍✨。昨日のあいつ、可愛かったって言って、ほっぺた赤くしてたし。

・瀧に入った三葉の意識は、司との出会い当初、彼の男性らしさに自然な抵抗感と恥じらいを感じていたのでしょうが、彼のフェミニンな部分に同性観を感じ出してからは、ボーダーレスな付き合いをしていたと想像します。司も同感だったんじゃないかしら。

・瀧の女性的な振る舞いを見て「かわいい」と顔を赤らめる感受性をフル活用しながら、三葉(身体は瀧) のサポートを卒なくこなし、同じく瀧の異変を案じる奥寺とのコンタクトにも成功してますよね。秘かに奥寺に恋する司からすれば、瀧の異変はお近づきのきっかけとなって好都合だったかな。
                   【LAMU】
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 そして設問③
「飛騨探訪に同行する彼をどう思いましたか?」
                 に関して・・

・急にいつもの瀧くんになったり女の子っぽかったり、当たり前のことを完璧に忘れてたりするから、瀧くんのことが心配だったんじゃないの?悪い人に騙されてるんじゃないかって。

・瀧が出会おうとする相手を、SNS上の出会い系サイトでリンクした女の子とほぼ断定し、最近スキが多い瀧だから「美人局」のワナに引っ掛かっているのではと、本当に危惧したからこそ、司は一人であっても瀧に同行する気持ちを持っていたと思います。

・瀧の異変をそばで目撃していた司と高木、奥寺でしたが、より関心度が高い司と奥寺が飛騨探訪に同行しました。この二人のおかげで、隠り世の秩序に介入していった瀧は、現世との「赤い糸」をギリギリ保てたんだと思います。       【LAMU】
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 最後に設問④
「彼と奥寺ミキとの相性をどう思いますか?」
                 に関して・・

・あの奥寺先輩と末長く仲良く暮らしましたとさ。

奥寺ミキにはリーダーシップという男性らしさを感じますので、場面によりけりで、お互いの性別的役割を交換し合いながら上手く夫婦関係、親子関係を切り盛りするんじゃないでしょうか。

・前回の回答で述べました通り、堅実な家庭を築いていける名コンビ、善良なカップルだと思います。                    【LAMU】
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・・・コメントをありがとうございました。今回も実に興味深いコメントが寄せられました。大変感謝いたします。なお前回に続き、テーマ出題者である私 LAMU の一意見も掲載させていただいております。

次回の語り場テーマ


【テーマ】最終回
    その他の登場人物に関する考察

 次の登場人物のなかから、あなたの印象に残っている人物、もしくはエピソードがありましたら、1つないし2つほど挙げてください。勿論、全員についてコメントしていただいても構いません。

 ・高木真太 ・瀧の父 ・テッシーの父
 ・テッシーの母   ・ユキちゃん先生
 ・三葉のクラスメイト (松本・桜・花)
 ・奥寺と瀧らのバイト先店員
    (田中・斎藤・鈴木)
 ・ラーメン吉野屋の主人と女将さん 

  ・・その他、ご自由にコメントを投稿
  してください。お待ちしております。

【期 間】2019年6月25日(火) 10:00 から
         ※ 6月29日(土) 14:00 まで
【語り場】下記のコメント欄
【文字数】30字~300字程度
掲示板】議論の要旨をもとにした考察文を
     ※ 6月29日(土) 16:00 に掲載予定
【追 記】募集期間がかなり短くなっており
     ますが、掲載日以降にコメントし
     ていただいても全く構いません。
     むしろ大歓迎です。気兼ねなくご
     意見をお寄せください。お待ちし
     てま~す!

 ぜひ皆さん、こぞってご参加くださいね!

※ 現在はコメントを募集しておらず、コメント欄を閉鎖しております。

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《プチ考察シリーズ『君の名は。』⑥ 》

俊樹町長による避難指示の決意と
     その後の父娘に関する一想像

 今回のプチ考察のテーマは、藤井 司にまつわるエピソードではなく加納新太氏著『君の名は。アナザーサイド アースバウンド』の第四話「あなたが結んだもの」で紡がれたラストシーンの続きの物語を、私 LAMU の一想像で描いてみたいと思います。その名もズバリ!「俊樹町長による全世帯避難指示と、その後の父娘に関する想像物語」です。前回と同様、LAMU が綴る二次創作小説のミニ版として、温かな目線で気楽に読んでいただけると嬉しいです。なお、本文をお読みいただく前に、当方の前ブログ「マイ考察シリーズ⑪ 三葉と四葉の母 宮水二葉の生涯と若かりし頃の一考察 」(3月16日付) を先にお読みいただくことをお薦めいたします。
   ★ご覧になられる方はこちらから☟☟★  【https://lamu.hatenablog.com/entry/2019/03/16/220000
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 宮水俊樹の中で、六年間閉ざし続けて開け方のわからなくなった錠が開いた。
 その鍵を持ってきた者は┅┅。
 とてもなつかしい顔をしていた。
 完全に同じではないが、はっきりとした面影が残っていた。
 もう二度と見ることができないと思っていた顔が、そこにはあった。

 そうだ。二葉の言った通りだ。あれがお別れではなかった。彼女はいつも正しかった。
 その顔に重なる彼女の面影に、意識下でわかり始めたすべてのイメージが、結合させられた。
 とその時、廊下の向こうから、こちらに近づいてくる足音が聞こえた。

「┅┅三葉!」
 自分の内側でうつろに響いたその怒鳴り声から間をとること十数秒間┅┅、まだ息が上がったままの正真正銘の三葉がドアをくぐり、歩み寄ってきた。
「お前まで、また!・・・は!」

 三葉は私の目をまっすぐに見据え、息を一回飲み込んでから、ゆっくりと口を開いた。

「お父さん! お願い┅はぁ┅、今すぐ皆を┅┅、糸守高校まで┅はぁ┅、避難させて┅┅」

 言い終わった途端、三葉はその場で崩れ落ちた。

   ※        ※        ※
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「お姉ちゃんっ!」「み┅つはっ!」
 遠のく意識のなかで、妹と父の声が私を呼んでいる。
「三葉」
 あれ、この声┅┅、意識の深みから込み上げてくる穏やかな男の人の声。
「お前に、会いに来たんだ」
「大変だったよ! お前すげえ遠くにいるから」
「ほら・・三年、俺が持ってた。今度は、三葉が持ってて」
「なあ、三葉┅┅目が覚めても忘れないようにさ」
「名前書いておこうぜ┅┅ほら」

 心の底から安心してしまう優しい声┅┅、体じゅうに喜びが満ちてくるこの声は誰? ああ┅┅あの彼は誰? 彼の名前は┅┅?

 追憶のようであり、まどろみのような夢から慎重に引き挙げられて、私の意識はゆっくりと覚醒していく。そして私はそっと目を開いた。

「おや三葉┅┅、気がついたかい」
 私の顔を心配そうにのぞきこむおばあちゃん。あれ? ここは? 鉛のように強ばった自分の上半身を、祖母の介添えで起こしてもらった。

「おばあちゃん、ここは┅? 私、いったい・・」
「ここは町役場の中なんやさ。お前の父さんが、この部屋までおぶってきてくれたんやよ。」
 周りを見渡すと、非常電源でついたうすら赤い照明の部屋で、私は簡易ベッドで眠っていたようだ。

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 私はなにかを思い出そうとする。とっさに自分の右拳に目をやった。開くとそこには、見慣れない、いやなぜか懐かしく感じる筆跡で「すきだ」と書かれている。おのずと涙が右の掌にこぼれ落ちる。

 壁にかけてある時計が涙で滲んで見えた。右手で両目をぬぐい、私は時刻を知る。
 午後八時二十五分。まどろみを引き裂く勢いで私の意識が大切なことを思い出した。みんなの避難はどうなった?!!

「おばあちゃん、町のみんなは避難したっ?!!」
「お前の父さんがいま全世帯を避難させとる」と祖母は冷静に言う。
「役場から避難放送をもう四十分も前から流しとるんや。各消防団も役場の人間もみな総出で、車を出して全部の集落をまわり、高校へ誘導しとるんやろう」
 役場から避難放送┅┅、あっ!と私は気づく。サヤちんとテッシーはどうなった? あれ、四葉は今どこにいるの? 沸き上がる不安と心配に叩き起こされて、私は部屋の窓際へ走り寄り、真っ暗な外を見た。二つに割れた彗星は、「人」の字のような二本の尾を雲の上に長く長くたなびかせ、巨大な蛾のように輝く鱗粉をありったけふりまいていた。
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 そこへ一人の女性が足音を鳴らして駆けつけてきた。
「宮水さん!」その女性はサヤちんのお姉さんだった。
四葉さんと、その・・勅使河原くんとうちの妹もさっき、高校に到着したようですので、残った私たちも今から高校へ参りましょう」
 状況がつかめないまま、私と祖母はサヤちんのお姉さんのマイカーに乗って糸守高校へ向かう。彗星の尾を不気味な美しさで反射する糸守湖面を視野に収めながら、私の頭のなかで変電所爆破の瞬間映像とサヤちんが呼び掛けた避難指示放送の音声が再生され始めた。
 あああ、あの二人、あれからどうなったんやろう┅┅。補導されたりして、交番のお巡りさんなんかに尋問されてるんやろか┅┅。でもなんで、四葉も一緒なん? どういうことなんやさ?
 私の思考がぐるぐると回り出したその時、車の窓ガラスにヒビが入るような、空気全体を均一に張りつめさせる異様な緊張を耳の奥で感じた。それはまるで、糸守町の大気全体を大きな注射器に詰め込んで、先っぽの針先にめがけてピストンで押し出すような、見えない圧迫感に押し潰されそうな未経験の感覚だった。
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 それは私たちを乗せた車がちょうど高校の正門に入った瞬間だった。車ごと座面の奥から突き上げられる大きな衝撃が突然私たちを襲い、三人同時に車内の天井で頭を打った。鈍い痛みを後頭部に感じ始めた途端、耳をつんざく轟音とともに、音のする方向に壁のように立ちはだかる校舎から窓ガラスが一斉に割れる大きな音がした。
 いったい何が起きたの? おばあちゃんは大丈夫? サヤちんのお姉さんは?
 縦とも横ともわからない地面の揺れは、大地震のそれを思わせる不気味な大地の息遣いのようだった。大勢の悲鳴も聞こえてきた。車の外に出た時、強く吹く風にこもった熱を顔で感じた。目の前の校舎の窓という窓がほとんど全て割れていて、その破片がさっきまで私たちが乗ってきた車や周りの車のボディ、駐車スペースの至るところの地面や緑地に、クリスタルの雹のような形状になってへばりつき、また積もっていた。

 星が落ちたんだ! ほんとうに、本当に┅┅彗星の片割れが、ここ糸守に落ちたんだ┅┅。私は事態をようやく把握する。

 全身の力が抜ける感覚に抗いながら、私たち三人は町民が避難している体育館へ歩を進める。祖母はさっきからハンカチで左頭頂部を押さえている。ハンカチに血が滲んでいた。大丈夫かな? 
 真っ暗な建物の窓ガラスはほぼ全て吹き飛ばされたのだろう。校舎と体育館を繋ぐ渡り廊下で血を流している人たちの群れが視野に入った。さっきの衝撃で飛散したガラス片や熱風で負傷した人たち? それにしてもすきま風が┅┅、空気全体が熱い。
 そうしてその奥に広がるグラウンドのほうに目を向けた。思わず息が止まった┅┅。
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 神社と自分の家を中心とする湖の対岸一帯が、まるで爆撃にでもあったかのように火の海と化していた。オレンジとも紅とも見える大火の揺めきの上には、悪魔の化身を思わせるような、とてつもなく高く昇りゆく黒煙の雲が夜空を覆っていた。
 火の海の下辺りを見てみると、湖の水が勢いよく流れ込んでいるように目には映る。それは信じがたい光景であり、それは紛れもなく現実に起こった災害現場の光景だった。
 ゴムか木か何かわからない物質を燃やす得体の知れない匂いが鼻腔の奥を刺激し続ける。熱を帯びた風は凪のような穏やかさに戻ってきたが、私の五感から入力されるあらゆる情報を私の思考がシャットアウトする。こんなことあり得ない┅┅きっとこれは┅┅夢なんだ┅┅。

 私の意識を呼び覚ます声が、後ろから飛び込んできた。四葉とテッシー、サヤちんだ。
「お姉ちゃん、大丈夫やった?!」半べそをかく幼子のような顔をした四葉は全身を震わせていた。
「三葉┅┅、無事やって良かった」と肩を撫で下ろすテッシーの両目にも涙が溜まっていた。
 隣りでサヤちん姉妹が泣きながら抱擁し、お互いの無事と家族の安否を確認していた。
 家族┅┅、あっ!と私はまた動揺する。消防団で結成された救護班の人たちから手当てを受けている祖母の後ろ姿を見ながら、とっさに父のことを思い出した。
「お父さん┅┅」
「三葉!お前の親父さんが、俺たちの話をすぐに聞き入れてくれたんやさ」
「えっ」と私は思う。
「早耶香の姉さんが担当部署の人に叱責されていたら、そこに親父さんが割り入って訂正放送をやめさせ、緊急避難指示を放送するように指示してくれたんや」
「!」私は父の顔を思い出しながら訊く。
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「全部、私が責任をとる!今すぐ全消防団に各世帯を回らせ、全員を避難させよ。身体の不自由な人をピックアップして町のリフト車で高校まで送れ。車を持つ世帯には荷物を最小限にさせ、一回で高校まで来るよう呼びかけよ。家に戻ることは一切認めん。全課は土木交通課をバックアップし、高校までの道、交差点各所に分散配置、速やかな全世帯避難を二十時三十分までに完遂させろ」
 
 迷いなき明確な指示に、誰も反論も抵抗も示さなかったらしい。たちまち役場は臨戦モードに切り替わり、館内は瞬く間にもぬけの殻になったという。テッシーとサヤちんは私の父に肩を優しく叩かれ、何も咎められなかったみたいだ。私のこころに温かな血が巡ってくるような感覚がした。お父さん┅。


「町長がまだ戻ってきとらん!」「ウソやろっ」
 そう叫ぶ役場の人たちの声が次々と耳に飛び込んできた。
「鉄塔崩落現場と、隣接する親沢地区の避難完了を確認しにいくって、一人で車で行かれた┅┅」
「秘書が生徒二人と四葉ちゃんを送ってきたらしい。町長が一人で行くって聞かんかったらしいぞ」
「三十分までには高校に戻るって町長が言ってたんやな?」
「おい、も一度探しに行くぞっ!」
  飛び交う言葉の応酬が、温かな血で巡る私のこころを沸騰させる。お父さん┅┅、お父さん┅! 私のお父さんっ!!!
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 居ても立ってもいられなくなり、役場の一人の男性を私はつかまえる。
「あのっ!! 父を、私の父を探しに車を出してください!私は娘の三葉ですっ!!」
「いやぁ、町長のお嬢さんでもそれは応えられません┅┅」
「なぜっ!どうして車を出せないのっ!」
 私は怒鳴る。
「今、土木交通課の職員が高校下から対岸地域に至る道路状況を確認しに行っていますが、あの大きな落下物の衝撃で、至るところで道が寸断しとるんですよ!」
 私は落胆で意識がまた遠のく。

 お父さん┅┅、私┅┅。今までお父さんのことを嫌ってしまってごめんね┅┅。本当にごめんなさい┅┅。私、私┅┅、お母さんが亡くなった後、お父さんが私と四葉を捨てて出ていったんやと思っとったんやけれど┅┅、本当は違うんよね┅┅。あの日の前日、お父さんが家から出ていく前、父さんといっしょに行こうかって私に言ってたよね┅┅。私、それを忘れてた┅┅。あの頃のお父さんが、私たち怖くて┅┅うんって答えられなかったんよ。お父さん┅┅、私は本当はお父さんのこと、ずっと好きやったんやよ┅┅。お母さんと私とお父さんの三人でよくお花を見に出かけたし、絵本を読み聞かせてくれたし、いつも一緒にいてくれたお父さんは、お母さんと同じくらい┅┅私好きやったんやよ┅┅。

 お父さん┅、まだお母さんのところへ行かないでよ! お願いだから、私のもとに帰ってきて┅┅。私、まだお父さんに、ごめんなさいって言えてない。このままお別れなんて絶対に嫌だよ┅┅、お父さん┅┅! お父さんっ┅、私のたった一人のお父さん!!!
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「三葉┅。三葉」

 お母さん┅? お母さんだ┅┅。私はいつの間にか泣いている。

「三葉┅┅、あなたのお父さんは無事ですよ。私があなたたちとずっと一緒にいますから┅┅。私たちはいつまでも家族なんやよ┅┅」
 懐かしい母の語る声が、こころの隅々まで優しく染みわたる。
「あなたと、お父さん、お母さん、四葉は、ムスビの糸でつながっているの。その糸をたぐって心を寄り添わせてる。だから家族┅┅、あなたの今の気持ちをお父さんに伝えてあげてね┅┅」


 目が覚めると、まだ泣いていた。涙をぬぐった右手を、じっと見る。開かれた掌には「すきだ」の文字。人差し指にのった小さな水滴。ついさっきまでの夢も、目尻をじわっと湿らせた涙も、まだ乾かないで滴りおちる。
 とてつもなく大切なものが、かつて。
 この手に。
 この手を握りしめてくれたあの父に。

 私が横たわっていた救護班のブースに、父が発見されたとの連絡が入った。
 糸守小学校前を高校方面へ抜けていく途中、あの激震と熱波、爆風を運転中の車内で浴び、道から約四十メートルほど離れた雑木林にひっかかるようにして転がっていた自家用車から、血だらけの父が発見されたらしい。父に意識はあるようだ。

 まもなくして消防団の人たちによって担架で運ばれてきた父が、救護用ベッドに寝かされた。頭部擦傷、肋骨と左前腕の骨折以外は、特に問題はないそうだ。良かった┅┅、ほんとうに、良かった┅┅。
 父が私に気がついて、か細い声で話しかけてきた。留めどなく私の目から涙が、また溢れてくる。
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「み┅つは┅、けがは大丈夫か?」
「うん┅┅、私は大丈夫。四葉もおばあちゃんも大丈夫やよ」
「そうか┅┅、それは良かった」
 うっ!と、父が胸を痛がる。
「はぁはぁ、父さんは、このあと┅┅、うっ、自衛隊の災害対策チームの皆さんと┅┅、しばらく糸守に残るから┅┅、はぁ、三葉は町のみんなと自衛隊ヘリで┅┅、岐阜の各務原へ一時避難するんだ┅」
「えっ!お父さん! こんなにひどい怪我をしとるんやないっ!!! お父さんこそ、岐阜の病院へ搬送されるべきでしょ?!」
 涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔で私は懸命に訴える。
「父さんの傷はな┅はぁ、たいしたもんじゃない。痛み止めが効いてきたら、うっ┅┅すぐにでも陣頭指揮はとれる。父さんはな┅┅母さんが生前に言ってた通り┅┅、意味があって今、こうして町長をやってるんだ」
 父の両目が潤んでくるのを私はしっかりと見た。
「三葉┅、この世のすべてはな┅┅、はぁ、あるべきところに、┅┅おさまるんだ┅」
「お父さん┅┅。お父さん┅!、私、今まで言えなくてごめんね┅┅。私はやっぱり、お父さんのことが大好きなんやよ┅┅、だから今までごめんね┅」
 私は声をあげながら泣いた。心の底から泣いた。
 もう周囲の目なんか全く気にならなかった。
 ずっとこころを閉ざし続けて開け方のわからなくなっていた蓋のようなものが取れたのがわかった。
 私の頬に伸ばしてきた右手の主は┅┅。
 とてもなつかしい顔をしていた。
  シワや白髪が増えてはいたけれど、はっきりとした優しい昔の父の面影が残っていた。
 もう二度と見ることができないと思っていた顔が、そこにはあった。

 本当だ。お母さんの言った通りやね。私たちはずっと家族で、ムスビの糸で結ばれているんやさ。 
                    完
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 以上となります。実際書き終えて読み返してみると、やはり恥ずかしさでいっぱいになりますね。今回も稚拙な表現など大目に観ていただいたうえ、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


 そして本日! 超ビッグな特報が舞い込んできましたよ! それがコチラ⤵️

特 報

     Abema TV × Twitter 共同企画
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 アニメーション監督・新海誠の3年ぶりとなる新作『天気の子』が、7月19日に公開されることを記念し、テレビ朝日地上波では映画『君の名は。』を6月30日よる9時に放送。今回の放送に向けた PRスポットのため、神木と宮水三葉役の上白石萌音が2人そろって新たにアフレコに挑戦した。

 今回の放送では、新作映画『天気の子』の映画冒頭シーンが初解禁されるほか、監督やキャストのサイン入りグッズなど、超貴重なプレゼントも用意。 Twitter と AbemaTV でもリアルタイム連動も行い、共同企画として、よる8時45分より、特別番組『君の名は。ノチ天気の子実況特番』の生配信が決定した。同特番では『君の名は。』のメインキャストである神木隆之介上白石萌音のほか、『天気の子』のメインキャストである醍醐虎汰朗・森七菜も出演。ここでしかみられない貴重なトークを展開する。また、同日AbemaTVでは午後11時30分から新海監督の4作品「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」「雲のむこう、約束の場所」「星を追う子ども」が一挙放送される

 30日に放送される最新 PR スポットでは、『君の名は。』の名シーンを編集しつつ、瀧と三葉の新たな声のやりとりを収録。アフレコ当日、スポット映像を見た2人は映像の持つ力に引き込まれたかのように、すぐさま瀧と三葉に戻り、コミカルかつ爽やかに息の合った掛け合いを披露した

 かねてから新海監督ファンを公言する神木は「僕にとって新海誠は “神” です。こういう風に世界が見えたらいいな、という世界を具現化してくださった憧れの人。だから、『君の名は。』は今でも夢のような作品です」とリスペクトを語り、上白石も「お仕事をする上でも日常生活を送る上でも、物事の見え方が変わった作品。きっと自分が携わっていなくても特別な一本になっていたと思います」と、この作品との出逢いがかけがえのないものだったことを告白。公開から3年を経た今もなお、2人の中で新海監督、そして『君の名は。』という作品が圧倒的な存在であることを明かしている。

神木隆之介さんのコメント
――久しぶりに瀧を演じられましたが、感想は?

久しぶりだったので声が変わっていないかな、大丈夫かなと思いながら挑戦しました。上白石さんは “女神の声の持ち主” でまったく変わらないですね。上白石さんの声は、永久に不滅です!

――『君の名は。』は、ご自身の中でどんな作品ですか?

僕にとっては夢のような作品です。多くの皆さんに見ていただいた、ということもありますが、大好きな RADWIMPS さんと “共演” させていただきましたし、高校生のときから新海監督の大ファンだったので、今でも夢のような作品です。

――神木さんから見て新海監督はどんな方ですか?

こういう風に見えたらいいな、という理想の世界を具現化してくださった方ですね。映像もそうですし、セリフやモノローグにいたるまで “こんな表現ができたら素敵だな” と思える世界を作り出してくれた憧れの人。なので、僕にとって新海誠は “神” です。でもお会いしたら気さくで本当に丁寧な方なんですよね。『天気の子』もとても楽しみです!

――公開から時を経た今だからこそ、「忘れられない」と思うセリフや場面は?

「あれ? オレ、こんなところで何してんだ?」というセリフが後半にあるのですが、その声のかすれ具合にすごくこだわったことを覚えています。映像がブラックアウトしたところに僕の声だけが響いてくるシーンなのですが、目覚めたばかりだけど柔らかすぎることなく、かといってひとりのシーンなので声を張りすぎても…と、どう言うべきか試行錯誤しました。ぜひ、そのシーンだけは料理や食事の手を止めていただき、照明を暗くしたりしてご覧いただきたいです(笑)。

――視聴者のみなさまへメッセージを!

自信を持っておススメできる作品なので初めて見る方ももうすでにご覧になった方も、ただ純粋に楽しんでいただければうれしいです。もしかしたら次の日、誰かと入れ替わっているかもしれないです(笑)。あとは、RADWIMPS さんと一緒に歌いながら見てほしいです。これは映画館ではできないことなので、ぜひご自宅で…!

上白石萌音さんのコメント
――久しぶりに三葉を演じられましたが、感想は?

久しぶりでしたが、ファンのみなさまに、“あ、三葉だな” と思っていただけるように演じたつもりです。2人で声を合わせて本編を録ったのは3年以上前ですが、神木さんとのお仕事はやはり安心感この上ないです。今回も「せーの!」で合わせて言うセリフが多かったのですが、“僕についてきて” 的なブレスを取ってくださったので、すぐに3年前の感覚が戻りました。ああ、こうやって2人で瀧と三葉を演じていたな…と当時を思い出しました。

――『君の名は。』は、ご自身の中でどんな作品ですか?

自分が携わったことを抜きにしても、私はこの作品が本当に大好きなんです。公開は3年前なのに今でも「『君の名は。』を見たよ!」という声をたくさんいただきますし、そのたびに私、「ありがとうございます」より先に、「ホント、いい作品ですよね!」と畳みかけてしまうんです(笑)。お仕事をする上でも日常生活を送る上でも物事の見え方が変わった作品。きっと自分が携わっていなくても特別な一本になっていたと思います。

――上白石さんから見て新海監督はどんな方ですか?

こんなふうに “日常” を見ることができるんだなと教えてくださった方ですね。私は出身が田舎で、本編のアフレコのときはまだ東京が好きになれない時期だったんです。渋滞ってイヤだな、アスファルトって味気ないな… なんて思っていたときにこの作品と出会い、「車が並んでいる様ってなんてきれいなんだろう」「輝いているアスファルトって美しいんだな」という発見を新海さんの視点から教えてもらった気がします。新海さんがそれを絵にできるのは、普段から小さなことや普通の感覚を大切にされているからだと思います。

――公開から時を経た今だからこそ、「忘れられない」と思うセリフや場面は?

おばあちゃん役を演じてくださった、市原悦子さんのことが思い浮かびます。市原さんは声で “思い” や “証” を残してくださいました。それを同じ場で聞くことができた幸せを実感しますし、それはこれからも日々増していくんだろうなと感じています。この作品には胸に迫るセリフが詰まっているのですべての声や言葉から思いを感じ取っていただけたらうれしいです。

――視聴者のみなさまへメッセージを!

おうちでくつろぎながら楽しんでほしいですね。『天気の子』の映像も流れるので、我々、 “新海ファン” としては絶対に見逃せない放送です!

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【番組名】
君の名は。ノチ天気の子実況特番』
出演者:神木隆之介上白石萌音、醍醐虎汰朗、森七菜/パンサー向井慧、mic
【生配信時間】
6/30(日)20時45分~
(終了は23時20分頃を予定)
【配信窓口】
Twitterでは次のURLをチェック⇒ https://twitter.com/i/events/1140800839784660993
(※同時間帯に、アベマTVでも生配信を実施⇒https://abe.ma/2XyEOqw

コメント

神木隆之介さん
君の名は。』を、萌音ちゃん、醍醐くん、七菜ちゃんの4人で見られるなんて、すごく楽しみです!映画『天気の子』の色んなお話や、どんな方達なのかも、萌音ちゃんと一緒にどんどん探っていきたいと思います!ぜひ一緒に楽しみましょう!!
上白石萌音さん
神木くん、醍醐くん、七菜ちゃんというスペシャルなメンバーと一緒に映画を観られるなんて、
なんという眼福耳福。
新海ファミリーの居心地の良さを存分に味わいたいと思います。とてもとても楽しみです!
醍醐虎汰朗さん
君の名は。』を瀧と三葉を演じたお二人と一緒に見られる日が来るとは思いませんでした。
ワクワクしすぎて、遠足前の小学生みたいに前日寝られなくならないように気をつけます。
視聴者の皆さんと一緒に観賞できるのを楽しみにしてます!!
森七菜さん
あの『君の名は。』を、神木隆之介さんと上白石萌音さんと一緒に見られるなんて一生に一度!!
今からワクワクしています。皆さまと一緒にめいっぱい楽しみたいです。
お二人から色んなお話を聞きつつ、新海監督作品の魅力をたくさんお伝えしていきたいと思っております!!

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引用文献 加納新太
     君の名は。Another Side : Earthbound
     第四話 あなたが結んだもの p,267,268
画像出典 フォトギャラリー 君の名は。